04.22
コンテンツ同士の連携でチームプレーを実現する
チームプレーといえばスポーツですよね。4-6-3のダブルプレー、JFKの鉄板継投策など若干野球に偏りましたが、個々の力をつなげることで得られる成果は大きくなります。実はコンテンツにも同じことが言えます。そしてコンテンツのチームプレーに欠かせないのが役割です。
人は役割を意識しているから社会の中で活躍できる
よく「立場が人を育てる」と言われますが、実際に課長とか部長とか管理職に就くとチームをまとめる責任者として行動や発言に気を遣うようになりますよね。若気の至りで「部長のバカヤロー!」とか叫んでいた人もいざ自分がその立場になるとマネージメントの難しさを思い知ることになります。
人民の人民による人民のための政治で有名なリンカーンも「人を試したかったら権力を与えてみることだ」と言っていました。会社のような組織で昇進してすぐにボロが出る人は資質を疑われても仕方がありません。
お兄ちゃんなんだからしっかりしなさい。
お姉ちゃんなんだからガマンしなさい。
親にそう言われて育てられた人は少なくないと思います。家庭の中でもなにかしらの役割がありますよね。お父さんは父親らしくお母さんは母親らしく。みたいな固定観念は過去の話なので令和の模範解答は「自分らしく」でしょうか。しかし現実の生活では言葉にしないとしても家族の一員として役割を認識しているはずです。
子どもらしく、学生らしく、社会人らしく、医師らしく、警察官らしく、政治家らしく。
このような社会の中での役割は行動と責任につながります。
そしてコンテンツにも役割があった方がいいです。というのも、役割があればコンテンツ同士の連携が図れるからです。
商品パッケージのようにコンテンツにも表と裏がある
内容に関わらずコンテンツに期待しているのは「たくさんの人に知ってほしい」だと思います。そのため今月は何回見てもらえたとか主にPV(ページビュー)が評価指標になりがちです。
しかしPVの推移だけを見ていてもコンテンツの正しい評価はできません。
たとえば新商品の購入者を増やすために用意されたコンテンツには2つの目的があるはずです。
(1)新商品の存在を知ってもらう
(2)新商品の価値を理解してもらう
初対面の相手に自己紹介をするときはまず目を合わせて、あいさつしてから名前を言いますよね。会うなり学歴や職歴、身の上話をベラベラと語り出すのはおそらく怪しいタイプの人間です。うかつに近づいてはいけません。顔と名前をちゃんと覚えてもらってから共通の話題で場を和ませつつ、趣味や経歴など本当の自己紹介につなげるのが普通です。
新商品の場合は誰にとっても「はじめまして」です。なので(1)の存在を知ってもらうコンテンツのボリュームは控え目の方がいいでしょう。一気にワーワー言われても理解が追いつかないのと一緒で、目で追える情報量には限界があります。
キャッチコピー、商品名、イメージ写真、200文字の説明文とチラシや看板に掲載するくらいの内容でOKです。
パッと見て「あーこういう商品があるんだ」と思ってもらえれば十分。とにかくキャッチコピーとイメージ写真のインパクトは欠かせません。ついでに商品名が覚えやすいネーミングであれば効果的だと思います。
次に(2)の価値を理解してもらうコンテンツを打ち出します。(1)が商品パッケージの表だとすれば(2)は裏です。インパクトより中身がなんなのかしっかり伝わるような濃い内容にします。
正直な「信用コンテンツ」がお客さんの背中を押す
存在を知ってもらう、価値を理解してもらうに続き、最後にもうひとつ3つ目の役割がないとなかなか買ってもらえません。
新商品といえども似たようなものはほかにもたくさんあります。ということで買う理由=決め手が必要です。
もしお客さんの立場ならなにが決め手になりますか?
やはり価格のような気がします。似たような商品ならなるべく安い方がいいですよね。事実、ショッピングモールなど店舗がひしめく環境では10円単位での価格競争が続いています。
逆に価格を気にしないのがブランドです。ブランドそのものに価値があるため高いほど魅力的に見えるという唯一無二の強みがあります。
有名ブランドでもない、価格競争では勝てない、出したばかりの新商品。
そんな厳しい状況の中でも効果を発揮してくれるのが「信用コンテンツ」です。
どこの馬の骨ともわからない会社がつくった商品は信用できないというのがお客さんの本音です。
そこで初対面の相手を信用する理由を考えてみましょう。
身なり、目つき、言葉遣いなどいろいろありますが、経歴ってかなり大きな要素だと思います。履歴書なんかはその人を信用できるかどうかの判断材料になりますよね。商品に関しては売っている会社、お店、人の経歴が信用コンテンツの主題です。
ただ経歴が年表のようだと気持ちは動かせません。どうしてこの商品を売るに至ったかのロードマップを反映させたいところです。遠い過去の記憶、なにを目指していたか、思いついた日のこと、社会とのつながり、思考錯誤の日々、支援してくれた人たち、テスト販売の実績と評価、ネーミングに込めた想い。一口に経歴といってもいろんな伝え方があります。
正直者だけが道を切り開く。
青臭さを感じるようなストレートな歌詞ほど心に響くものです。恥ずかしいくらいの真っ直ぐさがお客さんの背中を押します。
と、コンテンツに役割を与えることでジェットストリームアタックのようなチームプレーが実現できます。単独のPVの動きを気にするより、この連携が上手く機能しているかどうかをチェックした方が売上向上の近道です。