02.18

同業者の目は気にしない方がいい
SNSの話をしているとき「投稿を躊躇してしまう」と聞くことがあります。商品やサービスの宣伝はできるけど、それ以外のリアルな内容は難しいと。野望や課題、お金に関することは閉口するとかなんとか。Xにしてもインスタにしてもどこの誰が見ているかわからないのがSNSというものです。たとえば同業者の目とか気にしていませんか?
可もなく不可もない熱量控え目の投稿がほとんど
いつでもどこでも誰でも自由に投稿できるのがSNSの魅力ですよね。無名の一般人のなにげないひとことがバズッたり、逆に炎上したりとその拡散力は絶大です。またビジネスツールとしての活用も広がっていて、会社やお店の数だけアカウントがあったりします。
ラーメン屋さんなど個人店はWEBサイトがなくてもSNSで十分という考え方が浸透していますよね。
そんな個人店のオーナーの方々は実際にどんな投稿をしているのでしょうか。
一番多いのは営業案内だと思います。
限定メニュー、イベント開催、キャンペーン、臨時休業のお知らせとか。
今日の今日とか投稿して瞬時に伝わるSNSはとても便利です。ランチタイムに行こうとしていたところでSNSをチェック。すると臨時休業の投稿があり「あ、今日は休みなんだ」と無駄足を踏まずに済むので、顔なじみのお店はフォローしたくなります。
確かに便利ですが、営業案内レベルの投稿ばかりでは面白味に欠けてしまいます。一方、ネットニュースに取り上げられるような投稿ってあるじゃないですか。お客さんに対する意見、斬新な取り組み、業界全体への警鐘など。普通なら投稿を躊躇するような話なのかもしれませんが、言うも言わないも自由なので言う人は言っちゃうわけです。
そうだそうだ、いや違うだろう。賛否両論はあって当然です。議論を生む投稿は池に投じる小石のように「なるほどそうか」という気づきの波紋が世の中に広がっていきます。
ネットニュースに取り上げられ、テレビメディアが取材に訪れ、番組にゲスト出演するという流れもよく見受けられます。
SNSでは言いたいことを言っちゃう人が目立ちやすい
モノ申す系の店主さんは目立ちやすいので、ネットで噂のあのお店という感じで世に知れ渡ることが多いと思います。
逆に非モノ申す系というかモノ申さない系というか、ごく普通にSNSを活用している店主さんはどうでしょうか。やはり人間ですし、日々仕事をしている中で思うこと、感じることはたくさんあるはずです。
飲食店であればスタッフがすぐやめるとか、迷惑客が絶えないとか、原材料費が上がり過ぎとか、電子マネーの手数料が高いとか、営業時間を無視されるとか、ドタキャンは勘弁してくれとか、駐車トラブルが減らないとか、Googleの低評価にムカつくとか、そもそも商売が上手くいっていないとか。
どれもありがちですが、そのまま投稿すると愚痴か文句のどちらかに該当してしまいます。注意喚起や問題提起にするには時事ネタを絡めるなどひと工夫が必要です。口が災いのもとなのはSNSの普及によって可視化されました。まったく同じ話でも言葉選びを間違えた結果、意図した内容で伝わらないことはよくあります。だからこそ日本人らしく「言わぬが花」を貫けば、面倒くさいSNSの問題がひとつ消えるわけです。
モヤッとしますよね。
社会に一石を投じられるのに、世間に波紋を広げられるのに。
モノ申す系の店主さんの投稿を眺めては「人は人、自分は自分」と言い聞かせながら、タイムラインを眺めることも多いのではないでしょうか。ゆえに言っちゃう人が目立ちやすいのかもしれません。
困っているときに困っていると言える運用が望ましい
一石を投じるとか波紋を広げるとかスケール大きめの話はさておき、誰かに言うことで道が開けることもあります。
そんなことで困っていたんだ、言ってくれたら助けたのに、もしよければ一緒に解決しませんか。
本当に小さいとき、保育園児とか幼稚園児とか、小学2年生くらいまでは親、兄弟、先生などに訴えていたはずです。好きなものは好き、嫌いなものは嫌い、これ食べたい、これ欲しい、お腹痛い、トイレ行きたい。やり方がわからないときは「どうすればいいの?」と聞くだけです。
やがてできることが増えていくと誰かに聞いたり頼んだりする機会は減っていくものです。ネットを活用すれば今どき自己解決できないことはそんなにないと思います。ところがSNSでは「困っています」「助けてください」「教えてください」という投稿が列を成していて、ヘルプのハードルは下がっているのです。
同時に思わぬところから手が差し伸べられるのもSNSの利点です。
飲食店だと宴会ドタキャンの不運を訴えるケースとかありますよね。お店のピンチを知った人々がドドッと駆けつけ、売上げロスとフードロスの両方が解決すると。それこそネットニュースに取り上げられそうな心温まる話です。
SNSは困っているときに困っていると言えるくらいの運用が望ましいです。気を遣い過ぎるとドライでビジネスライクな投稿ばかりになってしまいます。普段から言葉に感情を乗せるなど回転数高めでアイドリングしておきましょう。
同業者の目、どうでもいいじゃないですか。
気になって夜も眠れないという人はアカウントを持たない方がいいのかもしれません。