2024
10.30
占星術が当たるのはなぜか?

占星術が当たるのはなぜか?

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みなさんは占星術にどんな印象をお持ちでしょうか?おそらく神秘的かつ胡散臭いという半信半疑なイメージかと思います。それでもメジャー占いのひとつとして新聞や雑誌、テレビなどメディアで人気のコンテンツになっていますよね。と、たびたび目に入ってくる占星術ですが、なぜ当たるのでしょうか?

現実のそれとは異なる12星座に太陽だけで占う簡易版

そもそも占星術(西洋占星術)がよくわからないという方も多いと思います。ざっくり言えばおうし座のあなたはどうのこうのというアレです。

朝のテレビ番組でも1位から12位までランキングしていますよね。学校や会社に行く前にチェックしている方もいらっしゃるはずです。おひつじ座、おうし座、ふたご座、かに座、しし座、おとめ座、てんびん座、さそり座、いて座、やぎ座、みずがめ座、うお座。どの星座になるかは誕生日によって決まります。

たとえば、おひつじ座は3月21日から4月19日に生まれた人、おうし座は4月20日から5月20日に生まれた人です。血液型と同様で一度覚えると忘れにくく「なに座?」と聞かれてもすぐに答えられる人がほとんどですよね。

が、どうやって星座が割り当てられているのか、イマイチわかっていなかったりしませんか?

よくある12星座占いは「太陽星座」のことを言っています。太陽星座とはみなさんが地球でオギャーと生まれたとき太陽が位置していた星座のことです。季節によって見える星座が違うことはご存知ですよね。自分が地球になったつもりで天体を観察すると太陽がさまざまな星座と出会いながら移動しているように見えます。たとえば「今、太陽はふたご座のところにいる」みたいにある瞬間を切り取ればそのまま太陽星座のイメージになります。

本格的な占星術は太陽だけでなく月、水星、金星、火星、木星、土星、天王星、海王星、冥王星という10個の惑星を使用します。さらに誕生日のほか生まれた時間と場所もインプットして占います。惑星ごとに移動速度が違うため、図に表さないと全体像を把握しきれません。そんなときに便利なのがホロスコープ(horoscope)です。ホロスコープによってどの惑星がどの星座に位置しているのかひと目でわかるようになります。

月って惑星だったっけ?

そう思った方は鋭いです。

月は地球の衛星ですが、占星術ではなぜか惑星の扱いになっています。またてんびん座とかふたご座とかもホンモノの星座ではありません。あくまでも便宜上の12星座であって、円を12分割した枠のことを言っています。ゆえに占星術は占星術、天文学は天文学と一線を引いて考えないと頭が大混乱してしまいます。

根拠のない占星術でも理屈だけはしっかりしている

占星術に関してはなんで、どうしてとよく言われている「?」な話が3つあります。

ひとつ目は「双子はまったく同じ運命になるのか?」というやつです。誕生日が一緒ですから出てきて当然の疑問だと思います。太陽星座はもちろん一緒ですが、ホロスコープを見てもほとんど変わらず同一と見なせます。

ちなみに惑星の中では月が一番速く移動します。1ヵ月以内に12星座を一巡するため、ひとつの星座に留まっているのも2~3日です。しかしながら双子が30分間隔で生まれてきたと仮定しても、目に見えるほどの差にはなりません。つまり占星術的に双子は運命共同体と言えます。

次に「星座の変わり目に生まれた人はどうなるの?」です。たとえば1月19日生まれのやぎ座と1月20日生まれのみずがめ座。たった1日の差で占いがガラッと変わるのかという話もありますが、たとえば1月20日の0時ちょうどに生まれた場合はどうなるのかと。

これは意外とシンプルでやぎ座とみずがめ座の性質を半分ずつ背負うことになります。誕生日がどっちに近いかで、おとめ座寄りのしし座とか、おひつじ座寄りのおうし座もあって性格診断でもそのような見方をします。

最後は「なんで毎日の運勢がコロコロ変わるのか?」です。朝の占いで昨日は1位だったのに今日は最下位とか、確かにワケがわかりませんよね。

基本的な理屈はこうです。今日のホロスコープがどうなっているかで各星座の運勢が決まります。うお座の人はうお座にどんな惑星が入っているか、入っていなくても近づいているとか遠ざかっているとか。それらを総合的に判断して良し悪しを決定しているわけです。星座と惑星の相性、順行と逆行など見るべきポイントはいろいろあります。ただ今日と明日で1位から最下位に転落するのはエンタメだからとしか言いようがありません。

なんとなくスッキリしたところで、占星術の核心に迫ってみましょう。

ある星のもとに生まれたというロマンには抗えない

他の占いと同じく占星術にも科学的根拠は認められていません。が、手相やタロットよりも信憑性がありそうな気がします。相関性はさておき星座も惑星も一応実在するものですからね。

満月の日に犯罪が増えるとかなんとか、そんな話を聞いたことがあると思います。

オオカミ男が変身するのも確か満月の夜です。昔から言われているのは月には人を狂気に誘う力があるとかないとか。その根拠はともかく月には引力があります。月の引力によって潮が満ちたり引いたりしている事実を踏まえると、約6割が水分でできている人間にもなにかしらの影響があってもおかしくないように思いましたが。

いや、厳しいですね。

月より400倍も遠い太陽、さらに遠方にある太陽、ボイジャーじゃないと辿り着けない木星や土星の影響で人間の性格や運勢が決まるのはさすがに考えにくいです。しかも生まれた日の話ですからね。

にもかかわらず、なぜ占星術を信じる人がいるのでしょうか。

おそらく星にはロマンがあるからです。

ある星のもとに生まれた、実にロマンチックじゃないですか。

宇宙が謎だらけなのはご存知の通りですが、よくわからないものに想像を膨らませがちなのが人間です。流れ星で願いが叶うとか。根拠なんかどうでもよくて、都合よく楽しめたらOKという言い伝えは山ほどあります。

かに座の女の子ってどこか少し大胆。

女優・広末涼子さんが10代のときに歌った「MajiでKoiする5秒前」の一節です。

どこか、少し、大胆。

かに座じゃなくても女の子じゃなくても全員に言えることです。でも「あーそうなのかも」と思ってしまうのが占いの魔力だったりします。「私だって大胆なことができるはず」と勇気を出すかに座ガールがいてもおかしくありません。

美川憲一さんが歌う「さそり座の女」は地獄の果てまでついていくみたいですが、毒を持っているサソリのイメージって確かにそんな感じです。そのほか、おうし座はマジメな努力家、おひつじ座は情熱的な挑戦者とか言われていますが、なんか気になりませんか?

どこの誰がそんなことを言い出したのかと。

まったくわかりません。

花言葉も似たようなものです。赤いバラは愛、スイートピーは甘い思い出、クリスマスローズは私を忘れないで。どこの誰が言ったかわからないような話でも世間に広まってしまえば常識です。疑うだけ野暮ってものなのでしょう。

同じく占星術は疑いようのないレベルに達しており、さらに信じる人たちが当たったエピソードを拡散するため「占星術は当たる」となるのです。