11.01
情報発信が会社を面白くする
SNSの運用って大変ですよね。アカウントをつくってしばらくは投稿作業も楽しいものですが、3日空き、1週間空き、さらに1ヵ月放置したあたりで残念ながらSNSの運用は失敗といえます。「もうネタがない」と投稿をストップする前になにを目的としているのかもう一度考えてみましょう。
発信力をもうひとつの強みにしたい
よく「2つの能力を持っている人は強い」と言われますよね。たとえば英語力。ゴルフの才能+英語力でPGAツアープレーヤーとか、演技力+英語力でハリウッド女優とか、企画力+英語力で国際的YouTuberとか。この能力をフル活用すれば日本を飛び出してグローバルに活躍できるはずです。
これは企業でも同じです。今ある強みにもうひとつの力をプラスすれば大きな相乗効果を生み出すことができます。
そこで目をつけたいのが発信力。
インターネットがない時代はテレビやラジオのCM、紙媒体の広告、人々の口コミに頼るしかありませんでしたが、今は自社媒体でいつでも自由に発信できるようになっています。ししかしSNSにしてもWEBサイトにしても情報発信ツールとして有効活用できている企業はまだまだ少ないのが実情です。
「ネタがない」「担当者がいない」「効果が見えない」という3ないによって発信力を身につけられず、やる前に諦めている、もしくは少しやったけど続かないといった例があとを絶ちません。
わざわざ言わなくてもいいことに価値がある
あまり使われなくなりましたが「言わずもがな」という言葉があります。わざわざ言わなくても伝わるだろうと。日本人は特にそうなのでしょうが恋愛とか職場とか人間関係がぎくしゃくする理由のひとつがこれです。長年連れ添った夫婦でもない限り、言わなければなにも伝わりません。
言わずもがな体質の人にとって、TwitterやYouTubeなどSNSを駆使して情報発信を続ける人はとても奇異な存在なのかもしれません。よくそんなにしゃべることがあるな、と。
しかしよくよく考えてみれば「〇〇〇+発信力」を持っている人たちであることがわかります。よくタイムラインに流れてくる大食い動画なんかも、たくさん食べられる人が発信力を身につけることで人気コンテンツとして成立しているわけです。わざわざやることでもないという見方もありますが、このわざわざやること=発信力です。
ようするにやるかやらないかということで、やらなければネタなし、担当者なし、効果なしで永遠になにも変わりません。
で、ネタがなければやりようがないともよく言われます。
ゴッホはこう言いました。「美しい景色を探すのではなく、今ある景色の中に美しいものを探しなさい」と。面白いもの、めずらしいもの、ネタになるもの。それらはすでに内側にあり、視点や焦点を変えることで見えてくるのではないでしょうか。
続けている限りアイディアが尽きることはない
当たり前ですが需要ゼロのものを売ったり提供したりしているわけではないと思います。企業にとって商品やサービスが一番の強みで、情報発信のスタートもそれです。しかし新商品も新サービスも次々に生み出せるわけではないため、やがてネタは尽きてしまいます。
次にピックアップするのはイベントや取り組みといったちょっと特別なことです。このちょっと特別なことも頻繁に発生するわけではありません。
たまに「面白いな」と思う会社ってあるじゃないですか。で、その会社には間違いなく発信力が備わっています。面白さをちゃんと伝えているから「面白いな」と思えるのです。その面白い会社のはじめの一歩も「とりあえずやってみよう」だったはず。ネタ切れのピンチもありながら、続けることに価値を見出してなにかしらの情報発信を継続させた結果、今に至っているのです。
不思議なもので続けている限りアイディアの源泉は枯渇しません。面白そうなものもつまらなそうなものも次々と浮かんできます。やる気はやらなければ出てこないのと一緒です。
素材は社内にあるもの、外で見つけてくるもの、新しくつくるものなどいろいろです。いわゆるボツネタでも世の中に出してみなければ結果はわかりません。すごく考えてお金をかけた優良企画より、ほんの思いつきで出したゴミ企画の方が好反応なこともあります。情報発信のノウハウはこうしたトライ&エラーの蓄積です。
最初から面白い会社などありません。積極的かつ継続的な情報発信が会社を面白くするのです。