2022
06.02
物語化したプレコンテンツでオープン当日に行列をつくる

物語化したプレコンテンツでオープン当日に行列をつくる

CONTENT MARKETING

開店準備は猫の手も借りたいほど多忙です。しかしその忙しい間に情報発信することができればオープン当日、いやオープン前に行列をつくることも夢ではありません。今回は事前のコンテンツ=プレコンテンツの効果を説明しますが、1回切りのワンチャンスであることも覚えておきましょう。

オープン直前の告知では偶然の来店客に頼るしかない

集客活動はお店の準備がある程度できてから、あるいはオープン日が近づいてからと考えている方が多いと思います。たとえば地域フリーペーパーの広告なら基本情報と写真を用意すれば数万円で掲載できます。チラシを制作してポスティング業者に依頼するのもいいでしょう。駅近ならティッシュ配りも有効です。シンプルなホームページなら着手から2週間くらいで公開可能です。

いずれもよくある集客手段で、やるべきことはやったとしても実際にお客さんが来るかどうかはオープン当日を迎えてみないとわかりません。

「〇月△日、オープン!」

言うまでもありませんが、これはただの告知です。広告やチラシやDMを見ても、ティッシュを受け取っても、ホームページを開いたとしても「ふうんそうなんだ」くらいの反応で実際に行動に移す人はほとんどなく、むしろ偶然的にお店に辿りつくケースが多いのではないでしょうか。

そこで逆の立場で考えていただきたいのですが、いつも歩いている通りになにかしらのお店がオープンしそうな雰囲気があったとしたら「なんのお店なのだろうか?」とちょっとは気になりますよね。日を追うごとにお店の姿が見えてきて「あ、新しいカフェか」と認知できるようになります。窓越しに見える店内ではオーナーさんやスタッフさんが慌ただしく準備作業を進めており、オープン日が近いことがわかります。

そんなタイミングで自宅にチラシやDMが届いたとしたら「お、あの店だ」とすぐに気づき、行ってみようという気持ちにもなると思います。

もちろんこのパターンも偶然で意図的に呼び寄せたものではありません。

ただオープンのだいぶ前から情報が入ってきていることで、赤の他人の店でありながら親近感が沸いているという不思議な関係性が構築されています。あとはこれを戦略的にやるかどうかの話です。

デビュー前にファンを獲得していたガールズグループ

ほとんどの人はお店がオープンしてから、実際に行った友人の話やネットの口コミ、流行っているのか否か、自分に合うのか否かを推測しながら都合のいいタイミングを見計らって足を運びます。

しかしオープンの1年前からオープン物語というコンテンツで継続的に情報を発信していたとしたらどうでしょうか?オープン当日にやって来て「ずっと見ていましたよ」と声をかけてくれるお客さんは少なからずいるはずです。もはやファンといっても過言ではありません。

「NiziU(ニジュー)」というガールズグループはオーディションの段階からネットやテレビで番組化していました。その結果多くのファンを獲得し、実質的なデビュー曲「Make you happy」はオリコン1位となり、その年の紅白歌合戦にも出場しました。また今から遡ること25年前、同様の手法で「モーニング娘。」がオーディションの様子をテレビで公開。やはりデビュー前に多くのファンがついており、のちのAKB48に続く女性アイドルグループの先駆けとなりました。

ちょっと話が逸れますが、その昔「ルックルックこんにちは」という朝のワイドショー番組が放送されていました。水曜日の名物企画「ドキュメント 女のノド自慢」は視聴者参加型の文字通りノド自慢。イントロの間にマイクを持つ女性の苦労話がナレーションで入るのですが、歌い出しと同時に観覧客が涙を流す涙腺崩壊システムを確立するなど、20年以上に渡って番組を支える人気コーナーでした。

これらの例に共通しているのはストーリー(物語)です。

事前にストーリーを提供することで、人の心を動かし、爆発的なスタートを切るという手法です。

プレコンテンツで好スタートを切れば右肩上がりの集客に

プレコンテンツでオープンにまつわるストーリーを提供し、ファンを獲得することでオープン前に行列をつくるという理屈はご理解いただけたかと思います。

ここで大事なことをひとつ伝えなければなりません。

プレコンテンツで見込み客をつくれるのは1店舗に1回限りのワンチャンスです。もし人生を通じて1店舗なら、一生に一度のチャンスということになります。

はじめよければすべてよし。オープンと同時に好スタートを切るというアドバンテージは決して小さくありません。初日から売上目標を達成できていることも大事ですが、すでに良質なコンテンツを持っているという強みを活かせるのが重要ポイントです。

手もとにあるのはコンテンツだけではありません。どういう話が面白いのか、人気があるのかというコンテンツ制作のノウハウも有しているので、オープン後も継続的かつ右肩上がりの集客が実現します。