04.18
会社のブログはなぜ続かないのか?
個人でも企業でも情報発信の多様化が進んでいます。今でこそ複数のSNSアカウントを運用している会社はたくさんありますが、かつてはブログが主流でした。コツコツと文章を書き、マメに更新していたはずの会社のブログ。今回はその衰退と続けられない理由を考えてみました。
時流に合わせてSNSにシフトしていった結果
なんだかんだで一番多いのはSNSにシフトしたパターンでしょうか。ゴールが見えないブログに飽きてきたころにTwitter、Facebook、インスタグラムなど各種SNSが普及してきたことで「今度はこっちだ!」と媒体を乗り換えた会社は少なくないと思います。
一昨年、去年あたりからLINE公式アカウント(LINE@)に関する問い合わせも増えてきたことから、SNSのビジネス利用はさらに本格化していくことでしょう。
とはいえほとんどの会社がSNS運用について試行錯誤の段階で「とりあえずやっているレベル」というのが実情ではないでしょうか?ブログと比較してどうこうという話ではありません。単にやっつけ度の高いフワッとしたマイルド情報がタイムラインで散見できる今日このごろ。効果測定もおそらくフワッとしていることでしょう。
SNSの魅力はフォロワーやいいねの数がわかりやすいカタチで示されることです。ブログとの大きな違いであり、SNSを続けている理由のひとつとも言えます。ブログでもGoogleアナリティクスなど分析ツールを使えば詳細な数字を把握できます。しかし、マーケティング担当がいない会社だとそこまで手が回らないはずです。
なにを使って、なにを発信して、なにを得るのか。がむしゃらにやり続けることも大切ですが、多くの時間を費やす以上、やり方は選んだ方がいいと思います。
ブログにしてもSNSにしてもそろそろ方向性を決める時期に来ているのではないでしょうか?
ネタも時間もないからカレンダー化してしまう
会社のブログが続かない理由は単純にリソースがないからです。企業は慢性的な人手不足が続いていますから、営業や販売、開発などお金をなりやすい業務に人員を配置したいわけです。
はじめた当初はブログも営業の一環だったはずです。会社の日常をブログで伝えることで、お客さんに親近感を持ってもらおうという目論見があったのではないでしょうか?
勢いよく書きはじめたもののネタはすぐに尽きます。実際にはまだまだいいネタが転がっているのですが、社内にいると気づきにくいのか「こんなことを書いたところで……」という自社愛と好奇心のなさが更新を停滞させます。
やがてブログの中身は商品の宣伝、キャンペーンのお知らせといった営業色が濃くなり、ついには営業時間の変更と休業日を伝えるだけのカレンダー同然の扱いになってしまいます。こうなると閉鎖は時間の問題です。
記事をちゃんと書こうとすると最低でも1時間、わりと濃い内容だと2~3時間以上かかることもあります。目の前の業務に追われる中、ブログに時間を割くのは難しいと思います。
結局のところ会社より個人の方が面白いから割に合わない
会社ブログとは少し意味合いが異なりますが、意外と続いているのが社長ブログです。その多くは誰かになにかを伝えるというより「経営者のモノローグ」として、感情の起伏が少ない淡々とした文章が長めに綴られていたりします。
社員のみなさんはお気づきじゃないかもしれませんが、経営者はとても孤独です。立場上、愚痴も言えず、悩みも言えず、相談すらできず。気軽に本心を打ち明けられるような相手もいないなど、いわゆる経営者あるあるです。余談ですが占い師に相談する社長さんって意外と多いんです。
想いや言葉が溜まっていく一方の社長さんたち。もし心の内側を社内で吐き散らそうものなら「大丈夫か?この会社」と社員のみなさんを不安にさせてしまうことでしょう。
そんな社長さんたちにとってオアシスになり得るのはSNSですが、これはこれで余計なことを言おうものなら炎上案件の可能性があります。との理由から消去法でしぶとく続けているのが案外人の目に触れにくい社長ブログです。
ただ社長ブログも時代の流れとともにオブラートが厚くなっています。公開している以上、いつどこで誰が見ているかわからないため、言いたいことをすべて書けるわけではありません。いろいろオブラートに包んだぼやき程度か、言葉を濁し過ぎてポエムと化している社長ブログもよく見かけます。これについてはなにを言いたいのかよくわからないけど、なにか言いたいんだろうなくらいのやさしい気持ちで読むのが正解です。
やはりブログは個人に限るのではないでしょうか。誰が書いているのかわかっているからこそ、中身の文章も面白く読めるという理屈はあるはずです。
顔出し、キャラ出しできる社員さんが書くのであればそれに越したことはありません。また今からブログはじめるようでしたら「note(https://note.com/)」がおすすめです。ブログのよさとSNSのよさを併せ持っているので、令和の時代には続けやすいかと思います。