2023
01.05
お客様を神様から信者に変えるモノゴトの伝え方

お客様を神様から信者に変えるモノゴトの伝え方

CONTENT MARKETING

WEBコンテンツは見つけられることが大切です。よっぽどヘンなつくり方をしない限り、誰にも見向きされないぼっちコンテンツになることはまずありません。むしろコンテンツを見つけてもらったときの気持ちを考えたいところです。タイトルがちょっとアレですが、なにかに勧誘しようという意図はありませんので最後までお読みください。

花束以外のプレゼント選びにつきまとうジレンマ

男性のみなさん、彼女へのプレゼント選びって難しいですよね。これについての最適解は「一緒に買いに行く」なんですが、実際には会話の中で好みを探ったりネットでトレンドや定番アイテムといった情報を仕入れるなどわりと遠回りしがちです。

いずれにしてもなにを贈るか決めるまでに結構な時間と労力を必要とするわけで「予算3,000円で黄色をメインにしてください」とひとこと伝えればいい感じに花束を用意してくれるフラワーショップのようにはいきません。

で、苦労の末にプレゼントを用意したその日の晩。夢枕に神様が現れるのです。ヤハウェでもキリストでも村神様でもいいでしょう。神様はいぶかしげな表情でこう告げてきます。

「お前が選んだプレゼントは微妙だ」と。

不安になりますよね。あんなに一生懸命調べたのに、節約して予算を確保したのに、休日をつぶしてティファニーまで行ったのに。なのにグウゥ……と唇を噛んでいるうちに神様はフッと消えてしまいます。

あなただったらどうしますか?

神様の言葉を信じ、返品してもう一度選び直すでしょうか?あるいは自分の選択を信じてそのまま彼女に贈るでしょうか?

失敗はしたくない。かといってこれまでの苦労を水の泡にしたくない。きっとあの神様は幻だ。疲れているときに見る夢なんてロクなもんじゃない。信じる理由はないに等しい。つまりこういうことだ。このプレゼントは微妙でもなんでもなく正しい選択であったのだと。そうだ前を向け、胸を張れ、自信を持て。我こそが神なり、ウォォォオオオオオ!

と、よくわからない論法で心を整理して「自分の選択を信じる」ことに清き一票を投じるのではないでしょうか。ようするに今さら選び直すとか面倒なことはできませんと。

神の言葉を含むコンテンツなら人の心を動かせる

これが明らかな破滅に向かっているのであればいわゆるコンコルド効果(=ダメだとわかっているのに失敗を認めたくないせいかムダな投資を続けてしまう心理)ですが、時間にしても労力にしても努力をムダにしたくないというのは誰でも思うことです。

徹夜で仕上げた資料を上司に「やり直せ」と言われたらイラッとしますよね。心を込めてつくった手料理を旦那に「クソまずい」と言われたら殺意を抱きますよね。42.195km走り切ったあとに「失格です」と言われたらシューズを投げ捨てますよね。

ネット検索はググる(Googleで探す)、タグる(SNSのタグで探す)、ツベる(YouTubeで探す)とプラットフォームやデバイスの進化に応じて多様化していますが、どう調べるかに関係なく時間と労力は必要です。たとえばはじめて忘年会の幹事をまかされたときなんかはお店選びに苦労しますよね。おいしい安いはともかく、会場の良し悪しは食べログの点数だけでは推測できないからです。

コンテンツで成立させたいのは「ですよね?」という説得と「なるほど!」という納得です。そのためにはユーザーの背中を押しながら首根っこをつかまえるような文章やキャッチが欠かせません。神様のひとことに負けない言葉が必要なのです。

「お客様は神様です」なんて言葉もありますが、あえて言いましょう「お客様は信者です」と。変な意味ではなく「お客様を信者にするようなコンテンツがつくりませんか?」ということです。

商品にしてもサービスにしてもイベントにしても同じです。ユーザーは興味があるからこそコンテンツに辿りつきます。フムフムなるほどそうかと読み進めていくわけです。そうこうしながらユーザーが気持ちを固めて注文ボタンを押すなど行動に移すまでがコンテンツの役割です。

Let’s断言!検索という長い旅路のゴールにしてあげよう

まずはコンテンツに辿りつくまでの苦労を察してあげましょう。希望に近いけどなんか違う。バシッと当てはまる正解はどこに?これは怪しいしこっちはもっと怪しい。たくさん推されているけどステマでしょ。出てきたけど情報が古すぎる。なんか変な方向に行っているから明日また検索しようか。

とかなんとかユーザーはネット検索のノウハウを総動員してパソコンやスマホを向き合い続けてきたわけです。何日も何日も森の中をさまよい歩いてようやくたどり着いたユーザーをさらに迷わせるのはもはや罪といっても過言ではありません。

ようこそいらっしゃいましたと。さぞかしお疲れになったことでしょうと。もうご安心くださいと。あなたが求めていた情報はここにありますよと。幕末から続く老舗温泉旅館の女将レベルでここがゴールだと安心させるのがコンテンツの責務といえます。

どういうわけかコンテンツをつくるときは断定を避け、ユーザーの判断に委ねるようなフワッとした表現になりがちです。しかし友人におすすめの映画を聞いたとき「好みによるからね、これというのは言えないかな」と返されたら悶々としませんか?それより「だったら絶対に○○を観るべき!」と強く推された方が聞いた甲斐があるというものです。

なにが正解なのかよくわからないグレーな世の中ですから、なにかを発信するときは自信を持って白黒ハッキリの言葉を出しちゃいましょう。こう思う、こう考えている、こうあるべきだというのは紛れもなくあなたにとっての事実なのですから。