2022
12.09
初回訪問で見られやすい「代表者挨拶」は適時更新するのが正解

初回訪問で見られやすい「代表者あいさつ」は適時更新するのが正解

CONTENT MARKETING

企業サイトを制作する際、コンテンツリストに加わりやすいのが代表者挨拶です。この「挨拶」という漢字に親近感が沸かないので「あいさつ」に変更しておきましょう。で、制作後はしばらくどころか何年も代表者あいさつを更新することなく今に至っているケースがよく見受けられます。

たいしたことが書いていないのにPVはそこそこある

企業サイトに7~8割あるといってもいいのが「代表者あいさつ」です。ごあいさつとかメッセージとかいろんな言い方はありますが、社長さんが「こういう意図で経営していますよ」ということを改まって言いまとめた文章が大半です。

で、この代表者あいさつが掲載されているのが会社概要という名のド定番ページです。会社概要には社名、代表者名、創設年、資本金、所在地、電話番号、FAX番号、主な取引先など、ごく普通のことがごく普通に書いてあります。これ以外に書きようがないと言わんばかりの箇条書きです。

その会社概要ですが、まあまあ閲覧されていることをご存知でしょうか?

たとえば名刺交換をして、ググるかQRコードを読み込むかして企業サイトを見に行ったとき、なんとなくチェックするのが会社概要だったりしませんか?

見ますよね?絶対に1回は見ますよね?

会社概要ってなぜか見ちゃうんです。大したこと書いていないのに。

そこからページをスクロールするかリンクを辿るかはさておき、代表者あいさつも高確率でチェックします。社長の顔写真を横目に見ながらダラーッと読んでしまうのです。

最後まで目を通したところで「なるほど!」と思うようなことがなにひとつ書いていないことに気づきます。

ホームページを自作する会社だったら担当社員から「社長、ここに文章載せるのでなんか書いてくださいよ」とお願いされて渋々書いたのが代表者あいさつ。制作会社への発注だったら「会社案内のパンフレットと同じでいいから」と秒で返された請負スタッフがコピペで済ませるのが代表者あいさつ。

そんなテキトー工程の末に生まれた代表者あいさつは「食を通じて社会貢献を」とか「ご家族に寄り添う住宅を」とか「ITの将来性を高く感じ」とか冒頭の1行目で眠くなるような文章がつづられていたりします。

眠気をこらえて読み切ったところでまったく記憶に残らないわけですから、ユーザーの時間を奪わないためにも清く正しく省いた方がいいのかもしれません。

越後谷の主人のあいさつはそのままでも気にならない

5年くらい代表者あいさつが更新されていないサイトはたくさんあります。代表者が変わっていないのだからあいさつもそのままというのも理解できますが、5年も経てば考え方や方針に変化が生まれてもおかしくないはずです。たぶん元禄創業の老舗の和菓子屋さんだって年ごとに味やこだわりをアップデートしているのではないでしょうか。

今から5年前といえばまだ平成ですよね。令和になっても変わらず同じメッセージを届け続けている代表者あいさつ。どこの誰からも「そろそろ変えませんか?」と言われないのが不思議なくらいですが、どうせ変わっていないのだから読むのは最初の1回切りとこれは見る側も承知していることです。

それでも5年の放置は長過ぎます。

わたしたちが1日で受け取る情報量は江戸時代の人々の1年分だそうです。インターネットもテレビも電話もない時代。当時はかわら版や噂話やたまに届く手紙が主な情報源です。越後谷の主人のあいさつが変わろうが変わるまいがどうでもよかったのが今から150年前の江戸時代です。

現代はどうでしょうか?

テレビやラジオに加えてSNSにネットニュースにと頭がパンクしそうなくらい毎日たくさんの情報が飛び込んできます。昨日の晩ごはんを思い出すのに自ら投稿したTwitterを読み返さなければならないほど物事を覚えるのが大変な情報過多の時代です。

じゃあいいじゃないですか、代表者あいさつを更新しなくても。

と、思うかもしれませんが、その代表者あいさつが掲載されているのが必ず最初に見られるページであることを忘れないでください。

個人と関わるコンテンツはフットワークを軽くしたい

はじめて会った人にどういうあいさつをしますか?会うやいなや「農業革命を起こし続ける」とか「地域密着のプロ集団として」とか「唯一無二のメディア戦略を」とか言いはじめたら相手に「え、この人ヤバくない?」と距離を置かれるのが普通です。

ちょっと堅苦しい表現というか建前はあってしかるべきですが、それは会社としてのメッセージであって代表者のそれとは違うものだと思います。

企業の代表者が1日に受け取る情報量は決して少なくないはずです。1年も経てば新しい取り組みに挑んでいたり、伝えるべき反省があってもおかしくありません。仮に1日で考え方が180度変わったとしてもそれだけスピード感のある仕事をしているという証拠です。

noteやブログにアップしている社長さんもいますが、タイムライン的に流れてしまえばユーザーの記憶に残りませんし、はじめましての人にとってはアーカイブを全読みしてもらわないと正しく伝わりません。

一期一会になりやすい代表者あいさつを更新すれば、昔話ではなく今に近い考え方や想いを早い段階で伝えることができます。コロナ禍で世の中の常識は大きく変わりました。代表者あいさつが平和ボケしていたあのころのままというのは違和感しかありません。

年度はじめでも誕生日でも随時でも。個人のメッセージを伝えている代表者あいさつはフットワークの軽いコンテンツにしておきましょう。