06.20
店主さん、本当にそのキラキラ店名で大丈夫ですか?
常連とまではいかなくてもよく行くお店の名前はハッキリと覚えているはずです。逆に名前を覚えていないために行けなくなったお店もあるかと思います。とはいえGoogleがとても優秀なのでジャンルとおおよその場所で推測できそうなものですが、調べるのが面倒くさいので「覚えやすい名前をつけましょう」という話です。
マクドナルドは世界に通じる響きのよさで大成功
世界最大のハンバーガーチェーン、マクドナルドはさすがに忘れようがないですよね。関西の一部ではマクドという呼称で通っていますが、全国的にはマック。どちらで呼んでいたとしても正式名称のマクドナルドはしっかり頭に入っていることでしょう。
しかしこのマクドナルド。普段利用するハンバーガー屋さんじゃなかったらうる覚えになりそうなネーミングだと思いませんか?なんとなく日本人のわたしたちにとって耳に馴染みにくい音のような気がします。
たとえばセブンイレブンだとセブン(=7)にイレブン(=11)という数字の単語を組み合わせたネーミングなので音として入ってきやすいですよね。ファミリーマートもファミリーのマートですし、ローソンはローソンさんという人名で牛乳屋さんが発祥だそうです。ローソンはローソンでしか覚えられませんが、カタカナ4文字は覚えるのに苦労しません。
マクドナルドはもともとマクドナルド兄弟がつくったハンバーガー屋さんだからその名前ですが、彼らから事業を買い取って巨大組織に成長させたレイ・クロックは「マクドナルドという名前の響きがよかった」と語っています。
日本人のわたしたちにはピンとこないところですが、その響きのよさというのがまさにワールドワイドのビッグマック級だったからこそ大成功を収めたのかもしれませんね。
おしゃれ過ぎてまったく読めない洋菓子店の話
かれこれ3年ほど前になりますが、出張取材からの帰り道、これからごあいさつに伺うお客さんに持っていく手土産を買おうと洋菓子屋さんか和菓子屋さんを探していました。
車だったらロードサイドで探しますが、電車で来ていたため街ブラ気分で歩きながらお店を発見しようとしていました。10分ほどグルグル歩いたでしょうか。センス溢れる看板に誘われて入ってみたのが新店の匂いプンプンの洋菓子屋さん。店員の女性に手土産によさそうなケーキをいくつか選んでもらい、会計を済まして、そのまま客先へと向かいました。
無事に手土産を渡してそのまま帰宅したのですが、夕方過ぎくらいにお客さんから電話があり「あれすごくおいしかったからお店の名前教えて」と言われて困ってしまいました。
名前なんて覚えていません。
と、一瞬固まったところで領収書の存在を思い出しました。それを財布の中から取り出して再び困ってしまいました。
お店の名前が読めない。
たぶんフランス語だと思いますが、筆記体のおしゃれグセが強くてなんと発音していいのやらチンプンカンプンでした。あとで調べて連絡しますと電話を切りましたが、なんかモヤッとした気持ちが残ったことをよく覚えています。
子ども以上に店名のキラキラ化が加速している
洋菓子店はもちろん、フレンチやイタリアンのお店でもこの手のパターンはありがちだと思います。「ヴァ」とか「ヴィ」とか入っている名前です。おそらく深い意味があり、店主さんのこだわりが詰まった名前なのでしょうが、読めない&覚えられないのはすごくもったいないかなと。
日本語の店名でも漢字の読み方がわからないことってありますよね。いわゆる難読漢字ではなく「本当にそれでいいのでしょうかと?」と余計なお世話を言いたくなるようなキラキラ店名です。
ネーミングの難しさは自由なところにあります。なんでもいいわけです。どうしても使いたい漢字、使いたい単語もあるでしょうから。実際に店名が原因でお客さんが入らず、売上が伸びず、つぶれてしまったという話はあまり聞かないと思います。
しかし原因はよくわからないけどつぶれてしまったお店はたくさんあり、もしかしたらその中に「店名がアレだったのでは?」という事例があってもおかしくありません。
ディズニーランドくらい有名な施設だと「デズニー」と入力したところでGoogleは正しい検索結果を表示してくれます。Yahooも「やほー」でOKです。
これから名前を売っていこうというスタートアップではとりあえず下記の3つを避けた方が無難だと思います。
・「ァ」とか「ィ」など小さい母音がつく名前
・数通りの読み方ができる漢字を含む名前
・見た瞬間に略し方を考えたくなる長い名前
サイゼリヤなのかサイゼリアなのか迷いやすいあのイタリアンファミリーレストランも「サイゼ」で通じるあたりが有名チェーン店である証拠です。これからオープンするお店はお客さんが1回で覚えられ、1回も噛まずに言えるような名前がいいのではないでしょうか。