01.09
M-1チャンピオン「令和ロマン」のネタが思い出せない
昨年末のM-1グランプリ2023、めちゃくちゃ盛り上がりましたね。クリスマスイブの生放送ということもあり、笑いのプレゼントをもらったような楽しいひとときでした。見事優勝したのはトップバッターから頂点へと駆け上がった令和ロマン。ところでみなさんは彼らのネタ、覚えていますか?
3回も見たのに覚えているのはひげイジリだけ
M-1グランプリといえば数あるお笑い賞レースの中で最も注目度の高い大会です。記念すべき第1回の開催は第1次小泉内閣が発足した2001年。途中5年ほど休止期間がありましたが、その人気は衰えることなく夢の舞台を目指すコンビやトリオも増えるばかり。
昨年の第19回大会には過去最多となる8450組がエントリー。漫才日本一の称号と優勝賞金1,000万円、さらにM-1ドリームと間違いなく人生を変える戦いです。そして迎えたクリスマスイブ。同日午後に行われた敗者復活戦に続き、ファイナリスト揃い踏みの決勝大会がはじまりました。
ファーストラウンドを勝ち抜いて最終決戦に残ったのはさや香、ヤーレンズ、令和ロマンの3組。それぞれが渾身のネタを披露した結果、令和ロマンが過半数の4票を獲得して新チャンピオンとなりました。
リアルタイムとTVerの動画配信で計3回は見ました。
ヤーレンズはおかしなラーメン店主が小ボケを連発、さや香は新しい数値演算「見せ算」の説明を延々と。で、チャンピオンの令和ロマンはファーストラウンドも最終決戦もつかみで松井ケムリさんのひげイジリをしていたことは思い出せますが、なぜかそれ以降の記憶がまったくありません。
優勝したわけですからネタは間違いなく面白かったはずなのに、どういうわけか記憶がないと。というか、みなさんはどうですか?
不利と言われるトップバッターだったからなのか
ありがたいことにTVerの動画がギリギリ残っていたためもう一度見てみました。いろいろ要約すると下記のような感じです。
<ファーストラウンド:1本目>
「少女漫画あるあるの疑問について」
えっ学校はどこ!?、全員で考えたくて、えげつない低能、日体大の集団行動、すしざんまい、正門と裏門があって、新しい学校のリーダーズ、旅館の女将さん
<最終決戦:2本目>
「おすすめドラマのダイジェスト」
X2年(平成14年)、単純作業でつまんねーな、ブラック企業確定、クッキーに未来はない、拍手広がらず、トヨタにこんな人いません、吉本にはこう人がいます
あらためて見てみると確かにそうだったと思える部分はありますが、次の日には忘れてしまいそうな危うさも感じています。
2本ともすごく面白いネタで、かれこれ4回目の視聴になりますがずっと笑えました。さすがはチャンピオン。スキなし緩急ありの構成、なにより肝が座っていて素晴らしかったです。
にもかかわらず記憶から消えたのはファーストラウンドも最終決戦もトップバッターだったことが原因なのでしょうか。
ラベリングしにくいネタを優勝に導く上手さとパワー
なかなか謎が解けないので歴代チャンピオンの最終決戦ネタを振り返ることにしました。自力で記憶を辿れたのは4年前まで。それ以前は公式サイトのヒストリーを見るしかありませんでした。
第18回(2022年)ウエストランド
あるなしクイズ
毒舌で「R-1に夢はない」とぶった斬るなど話題に
第17回(2021年)錦鯉
バカなサルが逃げ出した
50代と40代のおじさんコンビが雪辱を果たす
第16回(2020年)マヂカルラブリー
つり革につかまりたくない
自由奔放な動きで「漫才か漫才じゃないか論争」を生む
第15回(2019年)ミルクボーイ
それは完全に最中やなないか
鉄板フォーマット「行ったり来たり漫才」で史上最高点
ハッキリ覚えているのはここまでです。
第14回(2018年)チャンピオンの霜降り明星からはかなりボンヤリしています。その前のとろサーモンも、さらに前の銀シャリも。トレンディエンジェルはチェケラッチョハゲラッチョだったと思いますが、なにせ8年前のことなのでよくわかりません。笑い飯の場合、優勝ネタかどうか定かじゃありませんが「鳥人(とりじん)」のネタは衝撃的でした。パンクブーブーとNON STYLEは雰囲気だけ覚えています。第7回(2007年)サンドウィッチマンは敗者復活からの劇的優勝。街頭アンケートとピザ屋のネタでした。
チュートリアルはバーベキューとチリンチリンだったかと。ブラックマヨネーズ、アンタッチャブル、フットボールアワー、ますだおかだ、中川家。ごめんなさい、記憶にありません。
物事を記憶するときにはラベリングで覚えることが多いみたいです。人であれば背が高い佐藤さん、蝶ネクタイの鈴木さん、ハスキーボイスの高橋さんみたいに。その点、最終決戦には残れませんでしたがシシガシラのハゲネタなんかは頭に残りやすいですよね。
と、考えると令和ロマンの場合はネタやキャラのインパクトではなく、上手さとパワーで栄冠を手にしたということではないでしょうか。
ボケの髙比良くるまさんが29歳、ツッコミの松井ケムリさんが30歳。若さと才能を兼ね備えた新チャンピオンなので今後の活躍が楽しみです。