01.04
科学的根拠はないのに占いを信じる理由とは?
爆発的なブームは久しく来ていないものの占いの人気は廃れていないですよね。朝の占いでは牡羊座が最下位だったとか、ラッキーアイテムが白のニットだったとか。どこの誰がそう言っているのかよくわからなくてもなぜか気になったりするから不思議です。そもそも信じる派の人たちはどういう理由で占いと向き合っているのでしょうか?
どんなに怪しくても絶対に当たらないとは言い切れない
好き嫌い、信じる信じないにかかわらず、占いに触れたことがない人はいないと思います。もはや日常に溶け込んだ文化みたいなもので、わたしたちの手が届くところになにかしらの占いがあります。
手相占い、占星術、タロット占い、九星気学、四柱推命、姓名判断などなど。
この中でわりと身近に感じられるのが手相占いと占星術ではないでしょうか?
手相は手の平のシワを見て生命線が長いと長生きできるとか、ますかけ線があると強運の持ち主だとか言われる超定番のメジャー占いです。手は自分の体の一部ですからほかの人とどう違うのか確かに気になりますよね。
占星術はいわゆる星占いのこと。生まれ星座ごとにランキングされる朝の占いのアレです。誰もが自分の生まれ星座を知っているのもおそらく星占いがきっかけなのでしょう。血液型と似たような感じで性格診断にも使われています。
ただ、どちらの占いにも科学的根拠はまったくなく、結果が正しいと証明できるようなエビデンスも存在しません。
しかしながら絶対に当たらないとも言い切れないのが占いのストロングポイントです。宇宙人や雪男など絶対にいないことを立証するのはほぼ不可能なため、この手のあるなし論は「悪魔の証明」とも言われたりします。当たったり当たらなかったり、宝くじみたいな占いには賛否の両方がつきまといます。
ゆえに信じる派と信じない派に分かれているわけですが、まあまあ怪しげな占いがどうしてわたしたちの生活に浸透しているのかリアルに謎です。
当たること前提の占いにそもそもの話は通用しない
よくわからないことはその道のプロに聞いた方が早いですよね。占いのプロといえば、そう占い師です。
「占いは本当に当たりますか?」
みたいに聞こうものなら占い師の先生方は「はぁ?」と飽きれ顔になることでしょう。なんでそんなこと聞くの、バカなんじゃないの、愚問もはなはだしい、親の顔が見てみたい、幼稚園からやり直せ、おととい来やがれと心の中でつぶやくのかもしれません。
というのも先生方は当たること前提で占っているわけです。
レストランに行ってシェフに「ここの料理は本当においしいですか?」とは聞かないじゃないですか。
とはいえ当たるロジックぐらいは知りたいですよね。当たるのは100歩譲ってわかったとしよう。でもなぜ当たるのかを教えてほしいと。
ところが当の先生方はロジックを気にしていません。理屈抜きで占術の知識をインプットしているのです。わたしたちがどうして1+1が2なのかをいちいち考えないのと同じで、根本的な話はどうでもいいノーリーズンな世界線とでもいいましょうか。お客さんとの間にも言わず聞かずの暗黙の了解があるため、そもそも論を経由せずに「ズバリ言うわよ」と結果を告げてくるのです。
ゾンビに噛まれたらゾンビになるように占い師が占えば当たるわけで、この辺は業界のお約束と考えた方がお互いに好都合なのでしょう。
人生には科学で解決できない問題が山ほどある
ニュートンはリンゴが木から落ちる様子を見て「万有引力の法則」のヒントを得たと言われています。
現代では木からリンゴが落ちるのを見て「なぜだろう?」と疑問に思う大人はいません。ニュートンのおかげでそれが普通のことだとわかっているからです。でも地面のリンゴがフワッと浮き上がったらビックリしますよね。
実際にそんな不可解な現象があったとしましょう。たとえば幽霊の存在をまったく信じていない人が枕もとで幽霊らしきものを見たらどう思うのでしょうか?
夢だったのかも、酒を飲み過ぎたから、目の錯覚じゃないか。
きっとなにかしらの理由をつけて気を落ち着かせようとします。見えないはずのものが見えるのはただただ恐怖です。そんな恐怖で震えているとき、お医者さんに「きっと過労ですね」と言われたら一気に安心できるはずです。余計なことで悩んでいないでさっさと会社に行こうと気持ちを切り替えられます。
科学の進歩によってわたしたちは豊かな生活を得るとともに現象への理解を深めてきました。しかしながらさっぱりよくわからないことってまだたくさんあると思います。
なんでそうなったのか、なぜ上手くいかないのか、この先どうなるのか。
で、占いといえば女性がハマるものというイメージですよね。そして占いのテーマは恋愛の悩みが大半だったりします。
いつになれば運命の人と出会えるのか?
なぜタイプじゃない人ばかりに誘われるのか?
自分からアプローチしちゃダメなのか?
占い師の先生方はそのように悩んでいる理由を説明してくれます。
結婚線が伸びているから、金星がおうし座に入っていから、戦車のカードが出ているから。
続いて選ぶべき道を提示してくれます。
今年の夏がビッグチャンス、他の男性に惑わされずに、積極的に仕掛けた方がいい。
そして最後にこう付け加えることでしょう。
「安心してください」と。
と、ここまで言われたら迷いが消えて前に進めそうな気がしますよね。長い人生には科学はもちろん、医学でもお金でも解決できない問題がたくさん出てきます。それらをなんとかするために占いを重宝する人がいてもなんら不思議ではありません。