03.29
メディア掲載につながるWEBアンケートのつくり方
アンケートと聞いてどんなイメージがありますか?ニュースやバラエティなどテレビ番組でよく見る街頭アンケートでしょうか。それともなんとかデータという調査会社によるリサーチ結果でしょうか。どこか他人事のように考えていたアンケートですが、ご自身の会社で独自に実施すれば、その調査結果はメディアに取り上げられるなど拡散力の強いコンテンツとして活用できます。
根拠のある数字にはパワフルな説得力が備わっている
CM、バナー、チラシといった宣伝広告は数字があるかどうかで説得力が変わってきますよね。
5人に4人が納得、なんと3倍の効果が、リピート率は7割以上、0.5カラットのダイヤ、累計5万人が来場、150キロの剛速球、ウェストがマイナス10cm、塩分30%カット、レモン1万個分のビタミンC、初回視聴率15%の好発進などなど。
そしてこの手の数字とセットになるのが「エビデンス(evidence)」です。数字の根拠になっている実験データや検証データを出さないことには「なるほどそうか」と誰も納得してくれません。
たとえば「通常価格の50%OFF!」という商品が500円で売られていたとしたら、元の値段は1,000円のはずです。ところが元の値段が800円とか700円とかだったら「不当な二重価格表示」として消費者庁が定める景品表示法に抵触してしまいます。行政とお客さんの両方を納得させるには一定期間、1,000円で売られていた事実を示すしかありません。
逆に根拠のある数字には強い説得力が備わっています。
コンテンツは説得と納得です、と他の記事でもしつこいくらい書いていますが、いかに根拠のある数字を出していくかがPV(ページビュー)やらCVR(コンバージョン率)やらを上げるのに深く関わってきます。
そこでおすすめしたいのがアンケート結果を盛り込んだコンテンツです。
アンケートに答える機会はちょくちょくあると思います。急いでいるときに呼び止められたら面倒だなと思うアンケートですが、ネットだとサクサク回答できるので知らず知らずのうちに調査に協力している人は少なくありません。食べログのレビューで星をつけるのもアンケートの一種ですよね。
そのアンケートを自社で実施してコンテンツにしようというのが今回の話です。なにを出していいのかわからない、もうネタが尽きた、コンテンツとかもういいよ。と、お悩みのみなさん、アンケートコンテンツで起死回生の一発を打ってみませんか?
論争が生まれそうな「グレーな話題」を調べてみよう
よくある方法を説明します。アンケートのやり方ですが「WEB調査(ネットリサーチ)」を使います。オンライン上で回答を得るわけですが、WEB調査を代行してくれるサービスがいろいろあるのでアンケートの一番面倒な部分の手間を省くことができます。
はじめてだと実際にどういう人たちが回答しているのか疑問ですよね?
WEB調査のサービスにはモニターと呼ばれるアンケート会員の方々がたくさんいます。その人たちがお題として出されたアンケートに回答するとポイント付与などのメリットがあると、大まかに言えばそういう仕組みです。
手間こそ省けますが費用負担は必須ですので、予算に見合ったサービスを利用してください。
次にアンケートのテーマを決めます。もちろん会社の事業にまったく関係のないアンケートを実施しても意味がありません。たとえば結婚相談所を運営している会社なら、男女の結婚観や恋愛観がテーマになりやすいと思います。
そして大事なところ、テーマ決めのポイントは白黒をつけにくい「グレーな話題」です。
ラーメンは一杯2,000円が適正価格なのか?
デートの食事代は男性が支払うべきなのか?
どちらも最近ネット上でヒートアップした論争です。正解がないのはわかっているけど世間がどう思っているのか正直気になる、そんな話題こそ調べる価値があると考えましょう。どちらかといえば「デートの食事代は男性が支払うべきなのか?」に注目が集まりそうですが、コンテンツとして出すには今さら感があります。
説明用の例として、あえて絶対に不可能なテーマを考えました。
「ワンちゃんは飼い主のことをどう思っているのか?」
ターゲットは「誰かに飼われている犬」とします。人間なら性別、年齢、地域、仕事、趣味など属性による絞り込みがありますが、このテーマに関しては考慮の必要がなさそうです。
テーマとターゲットが決まったところで今度は質問を用意します。
結果を想定した上で「意外な事実」を引き寄せる
実情がよくわからないからアンケートを行うわけですが、いわゆる市場調査だけが目的ではありません。得られた結果をコンテンツにして、商品やサービスに関心を持ってもらうまでがアンケートです。
とはいえあまり身構えてしまっては質問が浮かびにくいので、とりあえず思いついたものからどんどん書き出していきましょう。
飼い主が決まったときの気持ちは?
飼い主のことは好き?
逃げ出そうとしたことはある?
触れられたくない体の場所は?
好きなドッグフードはなに?
本音を言えば「お手」とか「待て」とかダルいと思っている?
どうせ飼われるならお金持ちの家がいい?
誰もいないときの一匹時間をどう過ごしている?
犬らしい行動をとるようにしている?
本当に散歩に行きたいと思っている?
服を着せるのはやめてほしいと思う?
生まれ変わったら人間になりたい?
50~100ぐらい書き出したあと、わかりにくい質問とこたえにくい質問を省いていきます。続いて聞いたところで意味がなさそうな質問もカットしてください。この手の作業は消去法の方が早いですよね。10以下に絞り込めたらOKです。
そして質問ごとに「はい」「いいえ」や「好き」「嫌い」「どちらでもない」などの選択肢を決めていきます。詳しい意見を拾うコメント欄は質問ごとにつけられます。
アンケートは回答結果を予想することが大切です。むしろ「意外な事実」を引き寄せる質問で見栄えのいい数字を叩き出しましょう。
たとえば「飼い主のことは好き?」という質問に対して「好きが9割」という結果だったらインパクトはありません。その逆で「嫌いが9割」ならペット業界から圧力がかかっておかしくないほどショッキングな見出しになります。
圧力の話はさておき、ネットメディア、テレビ、ラジオ、雑誌などが引用しやすい調査結果はギャンブル性のある山を張った質問から生まれます。あと芸能ニュースねらいで「一度は飼われてみたいと思う女性有名人は?」という質問を加えるのもナイスアイディアです。50代のイケオジ第1位が福山雅治さんとか、別に予想外でもない結果なのになぜか見てしまうというアレです。
調査結果をまとめたあとはメディアに取り上げられるようにプレスリリースを出しておきましょう。