10.07
プレスリリースには経営者も目を光らせている
プレスリリースはメディア向けの情報発信だけだと思っていませんか?主目的は確かにメディア向けなのですが、実際にリリースを流してみると意外な反応があることに気づきます。想像の斜め上から「おっ!」というビジネスチャンスが舞い込むかもしれません。
ちょっとまわりくどいプレスリリースには裏の目的がある
プレスリリースを一度も出したことがない会社でも、それがどういうものなのかはなんとなく知っていると思います。商品やサービス、イベントなど「うちの会社でこんなことやりますよ」と世間に広く伝えるために、まずはメディア向けに情報を流すのがプレスリリースです。
プレスリリースを見たメディアの担当者さんが興味を持ち、問い合わせからの取材につながり、媒体掲載に至ればラッキーと考えるのが一般的です。今ではネットメディアがたくさんあるため、新聞・雑誌・テレビ・ラジオの4マスしかなかった昔と比べると掲載率は高くなっているはずです。
プレスリリースを出したことがない会社の社長さんはメディア向けという点で二の足を踏んでいるような気がします。
だったら普通に広告でいいんじゃないの、と。
お金を払えば広告を出せるし、今までそうしてきたし、これからもそうするし。
メディアを介するという点でプレスリリースはまわりくどいやり方なのかもしれません。ここ数年でいえばインフルエンサーの活用も視野に入ってくるので、旧時代の手法という見方もあります。
だが、しかしですよ。
メディア向けじゃない裏の目的があるとすればどうでしょうか?
意外なところからのビジネスオファーが舞い込む
たとえばあなたがタイムマシンを完成させたとしましょう。過去にも未来にも自由に行けるホンモノのタイムマシンです。
誰にも知らせず自分だけでこっそり楽しむという考え方もありますが、あなたはタイムマシンの性能と素晴らしさをたくさんの人に知ってもらいたいと思っています。
「やはりプレスリリースか」
テレビの取材が来てもらえるようにあなたはプレスリリースを出すことにしました。するとどうでしょう。配信直後、テレビはもちろんネットメディア、新聞、雑誌からの取材依頼が殺到したのです。
と、好反響に喜ぶ一方で想定外の話も舞い込んできました。
うちの研究所に来てほしい、うちの工場で量産したい、スポンサーになりたい、イベントでデモをやってほしい、海外市場に興味はないですか、時空を超えた旅番組をつくりたい、開発秘話を映画化したい、タイムマシン保険をつくりたい、うちの大学で講義してほしい。
まあまあ具体的なビジネスオファーが続々と届きます。
プレスリリースをチェックしているのはメディアだけじゃないんですよね。実は感度の高い経営者もプレスリリースに目を通しています。
情報は鮮度が命です。
苦労して辿り着いた情報が3年前のものだったとしたらガッカリしますよね。1年以上前の情報はゴミ同然です。その点、プレスリリースは企業発信の第一報ですから、釣ったばかりのお魚のようにピッチピチ。
誰よりも早くコンタクトを取り、うちとのコラボを実現させたい。鮮度抜群のプレスリリースは「なにかないか」と求め続けている経営者にとってチョモランマ級の情報価値を持っているわけです。
広告みたいに余計な情報が入っていないから伝わりやすい
なによりプレスリリースという形式が経営者好みだったりします。
とにかく要点だけ知りたいときってありますよね。
自己紹介やら前置きが長過ぎて、本題に入るまでに数分かかるようなプレゼンなんか聞いていられません。そういうのはいいから早く結論を言ってくれと。その点、プレスリリースに記載されているのはタイトル通りの事実のみです。
いつ、どこで、誰が、なにを、どうする。
化粧はもちろん皮も肉もない骨だけの情報で十分。
プレスリリースは30秒以内で内容を理解できるのが大きな魅力です。そもそもメディア向けの情報ですから、忙しい担当者さんに膨大な量のプレスリリースの中からピックアップしてもらうためにはひと目で内容が伝わるものじゃなければダメです。
これが一般的な広告だと宣伝文句のキャッチや装飾されたイメージが余計になります。やはり無加工なプレスリリースの方が物事の本質を見逃しにくいと思います。
忙しいといえば経営者も一緒ですよね。
探していた商品、サービス、イベントとマッチするプレスリリースが見つかれば願ったり叶ったりのビンゴ。フルスピードで問い合わせのメールを打つことでしょう。
というわけでプレスリリースはメディア向けでありながら経営者向けでもあり、つながりたい会社とつながることができるとか、つまりビジネスチャンスを生む一手になり得るのです。