2022
11.10
おじさんの話はなぜつまらないのか?

おじさんの話はなぜつまらないのか?

WRITING

つまらない話を聞き続けるのは退屈以上に苦痛ですよね。精神的にも体力的にも辛く、なにより時間のムダです。そのつまらない話をわざわざしてくれるのがおじさんだったりするわけですが、年配者だけにガン無視することもできません。社長に上司、父親に叔父、近所の誰かとおじさんとの接触は避けられないもの。そもそもおじさんの話はなぜつまならいのでしょうか?

すごいやら正しいやらなにかと面倒な2タイプ

おじさんの話といえば昔の武勇伝。栄光ともいえない過去のプチ自慢話をしゃべり続ける「俺はすごいぞおじさん」は普通に疲れる相手です。

高度経済成長期にバリバリ働いていた団塊の世代、飲めや歌えやと元祖パリピな青春を過ごしてきたバブル世代、受験戦争に就職難と不遇の時期を乗り越えてきた氷河期世代。それぞれ背景こそ違いますが、昔はアレでコレでと語りながら各世代の代表であるかのように声を張り続けるのが特徴です。

1年で給料が倍になったとか、車を5台乗り換えたとか、競争社会を勝ち抜いたとか。

「俺がお前くらいの年のころは……」からはじまるこの手の自慢話から学ぶことはなにもありません。

なぜ過去の自慢話をしたがるかというと、現在と未来を語ることができないからです。つまらない話をするおじさんは現在も未来も空っぽなのです。

そしておじさんの昔話はかなり脚色されています。盛っていることを忘れてさらに盛り付けを重ねてしまうのでファンタジーとして聞くのが正解です。すごいですね!さすがですね!勉強になりました!を呪文のように繰り返してその場をやり過ごしましょう。

もうひとつ面倒なのが「俺だけが正しいおじさん」で政治が悪い、日本はヤバイ、アイツは馬鹿だと言いながら自己肯定感を高めようとするタイプです。

なにが面倒かというと話のゴールが見えないことです。言っていることの120%がおじさんの思い込みなので妄想の大平原を歩き続けるようなもの。あと時間の経過とともにヒートアップしてくるため、ツバを飛ばされるだけでも迷惑なのに目がギンギンに血走ってきます。「我こそが正義なり」と言いたいがためにいちいち悪者を立てるおじさんはもはや教祖様です。最悪なのは「お前がダメだ」と矢の方向がクルッと変わったとき。マンツーマンの地獄説教タイムがはじまる前にトイレに立って逃げましょう。

聞き手を意識していないからライブ感がない

おじさんの話がつまらない理由は聞き手の気持ちを意識していないことです。壁や空に向かって話しているのと同じで、相手の反応など1ミリも気にしていません。ただ鈍感ということであればかわいいものですが、気持ちが自分自身、つまり内側にしか向いていないセルフ内輪ウケ状態です。

一方で話が面白いおじさんもいます。

たとえば再生回数の多いYouTubeの学び系コンテンツです。政治とか経済とか歴史とか教科書ではチンプンカンプンだったことをわかりやすく説明してくれる動画は10分以上の尺でもあっという間に感じるほど面白いです。

つまらないおじさんとなにが違うのでしょうか?

こういう面白い話ができるおじさんは話の構成がめちゃくちゃ上手いです。

構成についてはみなさんにも考える機会があると思います。大勢の人を前にしたあいさつ、プレゼン、面接など。なぜ考えるかというと聞き手の反応を意識しなければならないからです。ただ事前に用意した話は原稿を読んでいるかのような無機質なものになりかねません。

その点、話の面白いおじさんは「構成しながら話を展開する」ことができます。さらに身振り手振り、声のメリハリ、表情の変化を加えてくるので劇場型トークともいうべきライブ感があります。優れた話術というのは聞き手を高揚させながら一緒に盛り上がれるものなのです。

学びのメリットを求めるならYouTubeで十分

と、ここまでおじさんの話をしてきましたが、誤解を恐れずに言うと若い人の方がつまらないです。これは経験値の問題でよほど特殊な人生を送ってきた場合を除けば、若い人よりおじさんのように年配者の方が多くのネタを持っています。

本来、経験は武器にも話のネタにもなるはず。

なのにどうしておじさん=つまらないになるかというと「いろいろ経験してきた上で出てくるのがその話?」と落胆してしまうからです。

上司が子どもに見えたり、先輩をアホだと感じたり、親を敬えなくなったりするのはそのせいなのかもしれません。面白い話は当時を知らなくても面白く、知らないからこその面白さというのもあります。偉い人ほどつまならいという話もよく聞きますが、あながち間違いではありません。裸の王様と一緒で誰も指摘してこなければ必然的にそうなります。

学業をひと通り終えた若い人たちが次に向かうのは社会勉強で、特に機会を増やしたいのが年配者の話を聞くことです。と、いいたいところですがもうYouTubeで十分ではないでしょうか。

逆にYouTubeをじっくり見ていると世代を越えて伝わる話し方というものがよくわかります。