04.27
WEBライターのための「カタカナゆれ」スッキリ解決策
WEB記事を書くときに注意したいのが「表記ゆれ(揺れ)」です。日本語ならではの微妙な違いに気をつけなければなりません。そしてテクノロジーとカルチャーの進化とともに増えていくのがカタカナ用語で、記事中における使用頻度は右肩上がりです。今回はイラつくほどややこしい「カタカナゆれ」について考えましょう。
読者に頭を使わせない「表記ゆれ」の対処方法とは?
同じ意味なのに2通り、3通りの書き方があることを「表記ゆれ(揺れ)」と言います。売り上げ、売上げ、売上。意味は全部一緒ですよね。でもどの表記にするかは人それぞれで、なにかひとつが正しいというわけではありません。
表記ゆれのある言葉でも口に出して言うときはまったく気にしません。ですが、文章として書くときは基本的な指針(ガイドライン)を確認するなり決めるなりしておいた方がいいです。
いぬ、イヌ、犬。
普通は「犬」と書きますよね。次はどうでしょうか?
ばら、バラ、薔薇。
たぶん「バラ」と書くのが一般的だと思います。なぜそうなのかというと頭を使わずに読めるからです。「ばら」だと隣のひらがなと混同しやすく「薔薇」は画数が多過ぎて認識するまでに時間がかかります。
ほかにもいろいろありますが、ひらがな、カタカナ、漢字の使い分けは普段から文章を書いている人であればさほど悩まないレベルです。
問題はカタカナの中でのゆれ問題、つまり「カタカナゆれ」です。
スマホなのかスマートフォンなのか問題を考える
カタカナゆれの最たるものがスマホ、スマートフォン、スマートホンです。会話の中で一番使うのはスマホで間違いないでしょう。ポケットやバッグの中を探りながら「あ、スマホ忘れた」とかよく言いますよね。
ただ書くとなるとどれもカタカナなのに3通りの表記があるわけです。
面倒くさいと思いませんか?
これについてはもう「スマホ」でいいと断言しちゃいます。人々がスマホを持ちはじめたころは書き方も言い方もあやふやでした。しかし、現在ではケータイの中でのスマホ比率は95%以上とiPhoneにしてもAndroidにしても十分に一般化していると言えます。
スマホ、スマートフォン、スマートホンのどれでも意味が通じる世の中です。普通に言いやすい「スマホ」が適しているのではないでしょうか?
略語というのがちょっと気になりますが、スマホと書いてスマホ以外を思い浮かべる人はいません。キムタクと言えば全国民が木村拓哉さんだとわかるのと一緒です。
ゆれまくりのカタカナは文字数を少なくする方向で
ダイヤモンドとダイアモンドは「ダイヤモンド」でOKです。普段言い慣れている方を書きます。ただダイヤとするときはトランプのマークと間違えられる恐れがあります。ダイヤがダイヤモンドでしかない記事と文脈であれば略しても大丈夫です。
外国語のカタカナ表記について、文化庁では下記のように記しています。
https://www.bunka.go.jp/kokugo_nihongo/sisaku/joho/joho/kijun/naikaku/gairai/honbun06.html
https://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkashingikai/kokugo/kokugo_kadai/iinkai_45/pdf/93390601_09.pdf
これはルールでも規則でもなく「参考にしてください」とのことなので、実際にどうするかは書き手次第です。
「プリンタ」と「プリンター」はどちらも同じものを意味しています。現在は「プリンタ」と書く人がほとんどですが、ひと昔前は「プリンター」と語尾を伸ばすのが一般的でした。その名残りなのか家電メーカーや家電量販店では今でも「プリンター」と表記していたります。
IT用語はそんなのばかりで「コンピュータ」と「コンピューター」、「データ」と「データー」、「サーバ」と「サーバー」など語尾の長音問題はスッキリと解決していません。でも「データーサーバー」だとバカっぽいというか締まりがないというか、書くにしても言うにしても違和感がありまよね。
おそらくご年配の方々は長音あり、若い方々は長音なしで書いていると思います。
これらに絶対的な正解はないのですが、どっちでも通じるのであれば短い方にしましょうという感じです。
例外もあります。
1991年デビューの人気ロックバンド「ラルクアンシエル」の正しい表記は「L’Arc〜en〜Ciel」です。正しいは正しいですが、読み方がわからない人はもちろんいて、逆にこのスペルで書ける人はそう多くないはずです。
特にファンでなくても普通に音楽に聞いている人なら「ラルク」で通じます。しかしエンタメや音楽業界向けではない記事としてまとめるときは字足らずです。検索に引っかかりにくいという問題もありますよね。
そこで「L’Arc〜en〜Ciel(ラルクアンシエル)」と書いておけば、正しい表記で検索にも引っかかり、誰でも読めるということでラルクのカタカナゆれ問題は解決できます。