2024
06.13
声が小さい人のためのスピーチ克服術

声が小さい人のためのスピーチ克服術

WRITING

スピーチって地声が大きい人ほど有利ですよね。不思議なものでマイクがあってもなくても関係なく、大きな声は話の説得力をマシマシにする力を持っています。逆に声が小さい人にとってスピーチは罰ゲームのようなもの。ということで今回は小声界隈のみなさんのためにスピーチ克服術を。

居酒屋での「すみません」が店員さんに届かないストレス

世間では「ハキハキと明るく元気な声であいさつを」が推奨されていますよね。でもみんながみんな元気な声を出せるわけではありません。

たとえば地声の小さい人はあいさつが相手に届かないという問題を抱えています。声を張ろうと思えば張れるのですが、小声界隈のみなさんは叫び声みたいになりそうで気後れしてしまうのではないでしょうか。

そのほか何度言っても「え?」って聞き返される、居酒屋での「すみません」が店員さんに届かないなど小声界隈のあるあるは悲しいエピソードのオンパレードです。

勇気を出して「ハイ!」と挙手したのにスルーされたことはありませんか?

またスピーチにおいて声の大きさは超重要です。プレゼンなんかもそうですが、声が小さいと「なんか話していたけどなにを言っていたのかよくわからなかった」というネガティブイメージを会場に残すだけだったりします。

うーん、困ったものですよね。

まずは普段のあいさつからなんとかしてみましょうか。

こんにちはの「こ」が大きければ元気な人だと思われる

ということで最初の一音を大きく発声しましょう。おはようございますの「お」にパワーを注入するだけです。

あいさつの練習会でもない限り「おはようございます」をちゃんと聞くことってないですよね。たぶん「お$△%〇っす」くらいの感じじゃないですか。つまり朝、誰かとすれ違ったときの「お」は「おはようございます」であると、わたしたちの脳が自動変換してくるわけです。

もちろんスピーチにも活用できます。

「1582年、織田信長は京都の本能寺で宿泊していたところ家臣、明智光秀の謀反によって討ち死にました。これが世にいう本能寺の変です」

これを小声で話したところで「なんか言ってるよ」くらいですが、最初の一音に注意することで受け止められ方がガラッと変わります。

「【1】582年、【織】田信長は京都の【本】能寺に滞在していたところ家臣である【明】智光秀に襲撃され自害しました。これが世にいう【本】能寺の変です」

この文章の場合は【】の中の文字に力を込めましょう。【明】は「あ」だけ【本】は「ほ」だけ大きく言えばOKです。それ以外は別に聞こえなくても十分に話が伝わると思います。

耳にタコができるくらい聞き飽きた「本能寺の変」に不思議な説得力を加える唯一の方法がコレです。

自己紹介なら生まれ年、年齢、名前、出身地、学校名、会社名、趣味、特技などがキーワードになります。

全部を一生懸命話そうとするのではなく、キーワードの最初の一音だけ頑張ればOKとしましょう。

お坊さんとゾンビの発声方法で相手の鼓膜をブルブルさせる

お坊さんのお経ってチンプンカンプンなものの、その声は胸に響くようにハッキリ聞こえてきますよね。

そもそもご自身の声がなぜ相手に届くかご存知でしょうか?

自分のノドにある声帯が振動して、その振動が空気に伝わり、さらに相手の耳の鼓膜を振動させるからです。

声が振動現象であることは大きいスピーカーなんかを見るとよくわかります。特にドラムやベースの重低音はドンドンドンとスピーカーの丸い部分が前後に動いているはずです。

で、お坊さんは声帯をブルブル振動させるような発声をしており、そのような声のことを「有声音(ゆうせいおん)」といいます。

小声界隈のみなさんは話すときに声帯を意識しているでしょうか。「どういうこと?」と思った方は声帯をほとんど使っていない「無声音(むせいおん)」の可能性があります。

どういうのが無声音かというと図書館でヒソヒソ話をするときの声です。「ここだけの話ね」といって耳打ちするときは吐息に言葉を乗せるような感じですよね。

つまり声帯を意識した有声音にすれば小声でも相手の鼓膜をブルブル振動させることができます。

早速練習してみましょう。

アイウエオの母音に濁点をつけるつもりで発音してみてください。

「ア゛ァァァ」「イ゛ィィィ」「ウ゛ゥゥゥ」「エ゛ェェェ」「オ゛ォォォ」

このときの気分はゾンビです。

自分の体の中で声が響いているのがわかると思います。ノドに手を当ててみると声帯の振動を感じませんか?

この有声音はスピーチでも効果的で、まんまゾンビ化しちゃダメですが上手く声帯を使えると耳にも胸にも響く話ができるようになります。